ねむる鰐

 鰐のことを考えていた。 空想のなかで、鰐たちは微睡んでいる。 太陽の熱をたっぷり吸ったあたたかい泥に包まれている。爬虫類独特の目は閉じられ、ずらりと並ぶ歯は口中にしまい込まれ、鋭い爪は川底に碇のように食い込んでいる。鱗...

グレイの独白

 悪いのは私だが、絶対に謝りたくない。 たったひとつの言葉が頭から離れずにループしつづけている。 正確に言うならこれは「たったひとつの言葉」ではない。複数の言葉から成る文章であるし、どちらかといえば思考に近い。 だが同時...